物販業界は、そのほとんどがせどり(転売)で成り立っています。
せどりや転売自体は違法行為ではありませんが、あなたも一度は「せどり(転売)は違法だ」と耳にしたことがあるのではないでしょうか。
このようにせどりや転売が違法だと言われるのは、法律の関係で違法となるケースが存在するからです。
世間的にもせどりや転売に良いイメージを持つ人が少ないですが、悪いイメージがついてしまうのはマナー違反なせどり屋がいるからでしょう。
せどりや転売は決して違法ではなくちゃんとした物販ビジネスなのですが、法律や販売先での規約を理解していないと、
知らないうちに違反していたなんてことになりかねません。
せどりや転売で順調に稼いでいたのに、ある日当然違法が発覚し販売が継続できなくなっては困りますね。
そうならないためにも、こちらではどのようなケースがせどりや転売で違法となるのかについて詳しく解説していきます。
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せどり(転売)が違法だと言われる理由
前述したように、せどり(転売)自体は違法行為ではありません。
せどり日々、世の中で当たり前のように行われている物販であり、物販業界のほとんどがせどりで成り立っています。
仕入れた商品をお店や店舗に販売する行為も、せどり(転売)です。
なので、アパレルショップやスーパーさえもせどりで成り立っているわけですね。
ではなぜ、せどりや転売が違法だと言われているのでしょうか。
まず、世間的にせどりに対するイメージが良くないという事実があります。
これは、例えば限定品などを買い占めて高値で転売したり、転売目的でチケットを購入し高値で売るような悪質な「転売ヤー」が原因です。
このようなせどり(転売)の方法はもちろん違法行為に値します。
せどり(転売)が違法となる代表的な7つのケース
どのようなとき、せどりや転売が違法となるのかを知っていないと、あなたも知らないうちに規約や法律を破っているかもしれません。
特に、法律関係は「知らなかった」ではすまされないので、違法とならないようにしっかりと知識を付けておく必要があります。
ここからは、せどり(転売)が違法となる代表的な7つのケースを詳しく解説していきます。
- チケットを高額転売する行為
- 偽物の商品を転売する行為
- 法律上販売禁止の商品を転売する行為
- 古物商許可証未取得で中古品を転売する行為
- デジタルコンテンツをコピーして転売する行為
- 販売権のない商品を転売する行為
- 脱税
チケットを高額転売する行為
チケットせどり(入場券や観覧券、乗車券などのチケット類を転売すること)は違法ではありませんが、場合によっては違法となるケースがあります。
例えば、人気アーティストのライブのチケットを転売目的で購入し、高額転売するような明らかなダフ屋行為は違法です。
どのようにして「転売目的の購入」とみなされるかは、チケット転売時の販売価格が基準となります。
明らかにチケット購入時よりも高値で販売している場合は転売目的だとみなされるため、例えそのようなつもりがなかったとしても違法です。
逆に、チケットを購入したときの値段より安く転売した場合は、個人利用目的で購入したがやむを得ず他の人の譲ったとみなされるので、違反とはなりません。
最近では悪質なチケット転売を防ぐために、ライブや観戦チケットの転売自体を禁止する団体が増えています。
なので、やむを得ずチケットを転売したいという場合は、公式のリセールサイトで転売すると良いでしょう。
偽物の商品を転売する行為
偽ブランドなど、偽物の商品を転売する行為は違法です。
ブランド品は商標登録がされているため商標権の侵害行為に該当し、10年以下の懲役もしくは2,000万円以下の罰金が科せられます。
この「商標」というのはブランド名やロゴの事を指します。
例えばスポーツブランドの「adidas」は名前と各種ロゴを商標登録しており、偽ブランドが流出するのを防いでいます。
このように商標は、正規ブランドを守るために存在するわけです。
しかし、実際には偽物の商品はたくさん世の中に存在しています。
偽物は巧妙などんどん巧妙な作りになっていて、素人ではもはや見分けがつかないレベルに達しています。
こうなってくると、偽物を扱ってはいけないとわかっていても見分けるのが難しく、知らないうちに偽物を扱ってしまっていた、なんていう事態も起こりえるでしょう。
なので、安すぎるブランド品に注意する事はもちろん、ブランド品や有名キャラクター商品自体扱わないようにしたほうが安心です。
少なくとも、正規品だと証明する事ができない商品は、絶対に仕入れないようにしてくださいね。
法律上販売禁止の商品を転売する行為
販売先での販売禁止商品を確認する事はもちろん、法律上販売禁止の商品も知っておかなければなりません。
むしろ、こちらのほうが重要でしょう。
法律上販売自体が禁止されている商品、規制されている商品は以下です。
- 盗品
- ワシントン条約に抵触する剥製、象牙など
- 無修正アダルト商品
- 児童ポルノ
- 爆発物
- 銃火器(規定を超える威力を持つモデルガンを含む)
- 刃物
- 銀行口座
- 違法ドラッグ
- 契約中の携帯電話
- 危険食品(ふぐなど)
上記の法律上販売禁止の商品を転売する行為はもちろん違法となるので、発覚した場合は即時逮捕されます。
古物商許可証未取得で中古品を転売する行為
古物商許可証を取得していない状態で中古品のせどりや転売を行った場合、古物営業法違反となり3年以下の懲役または100万円以下の罰金を科せられます。
ただし、中古品といってもフリマアプリで個人的に中古品を売り買いする行為は違法になりません。
古物商許可証が必須となるのは、あくまでもビジネスとして中古品を売り買いをする場合なので、せどりや転売では必須というわけです。
古物商許可証の取得は費用が5万円ほどかかることに加え、手続きが複雑でかなり面倒な作業となっています。
しかし、これを面倒がって古物商許可証を取得せずに中古品を販売してしまうと、後々になってもっと大変な事になります。
法律上定められているルールですから、今後の販売のためにも古物商許可証を取得しておくと安心ですね。
デジタルコンテンツをコピーして転売する行為
デジタルコンテンツとは、CDやDVDなどの音楽や映像をデジタル化した商品を指します。
このようなデジタルコンテンツは、私的利用以外でコピーする事が禁止されています。
本来は有料で購入しなければ手に入らないCDやDVD、本や漫画などをWebサイトで公開する事も禁止です。
これらの行為が違法となるのは、クリエイターの著作権を侵害するからです。
著作権違反となった場合、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金を科せられます。
もしくは、その両方を科せられる可能性があります。
さらに、著作権違反に加えて不正競争防止法違反となる場合もあります。
不正競争防止法違反とは、不正行為によって健全な参加者の競争が損なわれないように守る法律です。
コピーされたデジタルコンテンツが元のコンテンツよりも安く販売されてしまうと、当然ながら元のコンテンツが売れなくなってしまいます。
こうなると、コンテンツ提供元の作家やアーティスト、事務所などは正当に販売しているにもかかわらず儲けが妨害されてしまうでしょう。
最悪の場合は妨害された結果、活動を続けることができなくなってしまう場合もあります。
デジタルコンテンツをコピーして転売する行為は、自分だけではなくコンテンツ提供元にも大きな迷惑がかかることを忘れてはいけません。
販売権のない商品を転売する行為
せどりや転売で販売する商品の中には、販売するにあたって申請や許可が必要なものがあります。
このような商品は、許可なしに販売する事は違法となるため処罰を受ける事になります。
例えば、海外から輸入した化粧品を販売する場合は、化粧品製造販売業許可が必須となります。
また、お酒の販売には税務署の販売業免許の申請が必須ですし、たばこの販売には財務大臣からの小売販売業許可が必須となります。
許可を受けることができればせどりや転売で扱っても問題ありませんが、申請にかかる労力と費用を考えると、
転売やせどりでは扱わないと決めてしまったほうが、効率が良いです。
もしこれらの許可を得ずに販売を行った場合は、懲役や罰金、もしくはその両方を科せられることになります。
バレなければいい、という考えは非常にリスクが高いので、絶対にやめましょう。
脱税
せどりや転売で一定額以上の所得を得た場合は、税務署に申告する必要があります。
面倒ではありますが、必ず税務申告をし必要な額を納めなければなりません。
確定申告をしないそのまま転売やせどりを続けていると、脱税で逮捕される可能性があるので、必ず申告しましょう。
せどり(転売)で一番注意すべきはアカウント停止!
せどりや転売では、法律で定められているルールを守らなければ、罰金や懲役などを科せられることはわかっていただけたかと思います。
しかし、法律違反をしていなくても今後販売ができなくなる事例があります。
それが、せどり(転売)で一番注意すべき、プラットフォームでの「アカウント停止」です。
プラットフォームで出品用アカウントが停止されてしまっては、売上が0円になってしまいます。
せどりや転売で稼いでいる人にとって、アカウントが停止してしまう事は廃業と同じレベルの危機なのです。
しかも、アカウント停止から最悪の場合、2度とアカウントを復活する事ができない「アカウント凍結」に陥るパターンがあります。
アカウント停止に陥らないよう、日ごろから気を付ける事はもちろんですが、
万が一アカウントが停止した場合も冷静に対処し、アカウント凍結だけは免れなければなりません。
特に、Amazon、ヤフオク、メルカリなどの主要マーケットでアカウントが停止・凍結してしまうと、今後の物販ビジネスに大きな影響を与えるでしょう。
大きなプラットフォームで販売できなくなったら小さなプラットフォームで販売を続けるしかありませんが、
販売できたとしても、売り上げが急激に落ちてしまい復帰するのは難しくなります。
なので、せどり(転売)では法律違反に気を付けるとともに、アカウント停止にならないようアカウントを健全に保つことが大切です。
出荷予定日までに出荷する事、顧客対応、在庫管理を徹底し、悪い評価やクレームがなるべく入らないように気を付けましょう。
最後に
せどり(転売)は違法なの?について、結論としてせどりや転売自体は違法ではありません。
しかし、違法になるケースが存在し、例え知らなかったとしても違反した場合は厳しい処罰を科せられることになるので絶対に避けなければなりません。
どのような法律や規約が関係してくるのか、せどりや転売を始める前にしっかりと勉強しておきましょう。
また、せどりや転売では何よりもアカウントを守ることが大切です。
法律違反に気を付ける事はもちろんですが、アカウントを健全に保つ事も意識してくださいね。
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